2019年03月08日

新しいADHD薬 ビバンセ

kakoさんのブログから、以下、すべて引用

kakoさんのブログ → https://ameblo.jp/momo-kako/entry-12444601813.html

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新しいADHD薬「ビバンセ」承認される


2019-03-05 17:37:44

テーマ:発達障害

 今ではもう、発達障害、とくにADHDに薬は「当然」の流れのようです。

 飲ませる? 飲ませない? そういう議論さえどこかに吹っ飛んだ感があります。

 Facebookでも発達障害のお子さんをもつお母さんたちが情報発信していますが、薬となると、「薬を飲んでる?」という話ではなく、「どの薬を飲んでいるの?」という話題がほとんど。

 インチュニブはどんな飲み心地だとか、副作用の眠気はどの程度だとか、コンサータは怖いけど、インチュニブは安心だとか、ストラテラは効果がなかったとか。インチュニブにしたけれど、改善なく、もともと飲んでいたコンサータに戻したとか、インチュニブは1㎎300円くらいなので、結構な額になるとか、うちの自治体では助成があって薬代は無料だとか、3割負担だとか……。

 ADHD傾向をもつお子さんの育児はたいへんでしょうから、薬で何とか症状が緩和するなら飲ませたい、そうしないと「普通」になれず、本人が自己否定に陥ってしまう(それは薬の副作用より怖いもの)。

 このブログでも薬についてこれまで何度も発信してきました。そして、薬の否定的な部分を書くと(否定的というより、副作用など医師がきちんと伝えない情報を書いているだけのことも多いのですが)、飲ませているお母さんからあれこれ批判を受けました。

 本も書きました。『発達障害の薬物療法を考える』。それが発達障害と言われる子どもたちへの安易な向精神薬処方に少しでもブレーキをかけてくれればと願ってのことですが、どうやらそういう方向には向かっていないらしい……。なんとも忸怩たるものがあります。



 現在、ADHDに使われている薬は、コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、そして、今年の2月21日に、「ビバンセ」という薬が承認されたのをご存知でしょうか。




 ■NEWS 小児ADHD新薬「ビバンセ」承認へ、覚醒剤原料含有で厳重管理を義務づけ

塩野義製薬が申請した「ビバンセ」(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)は、小児期における注意欠陥多動性障害(ADHD)に用いる中枢刺激薬。同薬には覚醒剤の原料になりうる成分が含まれているため、塩野義製薬と卸売販売業者に厳重な流通管理を義務づける。処方はADHDの診断・治療に精通した医師に限り、薬物依存にも対応できる医療機関・薬局においてのみ取り扱えるようにする。使用実態下における乱用・依存性の評価が行われるまでの間は、投与対象を類薬(メチルフェニデート)で効果不十分な場合に限定する。

 https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=11836



 コンサータもいわゆる覚せい剤ですが、こちらはもっと直接的に「覚せい剤」です。

 ビバンセ(リスデキサンフェタミンメシル)は、デキストロアンフェタミンのプロドラッグです。プロドラッグというのは、服用後、代謝作用を受けて活性代謝物へと変化し、薬効を示す医薬品のことを言います。つまり、この薬は体内に入ると(覚せい剤)になる薬ということです。

作用機序として、デキストロアンフェタミンはノルアドレナリンとドーパミンの再取り込みを阻害し、さらにその放出を促進する働きがあります。つまり、脳内がノルアドレナリンとドーパミンに満たされるということです。

当然、依存性があり、薬物依存へのリスクが高まります。



副作用についての研究を紹介しておきます。

Pub Med 2018年10月

Efficacy and safety of drugs for attention deficit hyperactivity disorder in children and adolescents: a network meta-analysis.  (小児および青年における注意欠陥多動性障害に対する薬物の有効性と安全性:ネットワークメタアナリシス)

安全性の結果については、薬物ランクによれば、LDX(リスデキサンフェタミン=ビバンセのこと)は睡眠障害(39%)、食欲不振(65%)、および過敏性などの行動上の問題(60%)を引き起こす可能性が高かった。



Pub Med(2018年9月)

Comparative efficacy and tolerability of medications for attention-deficit hyperactivity disorder in children, adolescents, and adults: a systematic review and network meta-analysis.  (小児、青年および成人における注意欠陥多動性障害に対する薬物療法の比較有効性および忍容性系統的レビューとネットワークメタアナリシス)

臨床医による評価ではリスデキサンフェタミン(ビバンセ)も含めてADHD薬はプラセボより効果があるとされたが、教師の評価ではプラセボと差がなかった。



ちなみに、ADHD薬のインチュニブに加え、今回のビバンセの製造販売をする塩野義製薬(この会社は他に抗うつ薬のサインバルタや、今年から発売されたインフルエンザ薬、ゾフルーザも持っています)の2018年(4月~12月)の売上高は、2652億円、うちサインバルタは186億円、インチュニブは39億円、ゾフルーザはなんと99億円です。



 塩野義製薬のホームページをのぞいてみると、「知って向き合うADHD」というページがあります。そこでは薬の「く」の字も出てきません(このあたり、すでにADHDへの薬物療法が定着している印象を強くしました)。そして、そのページを監修しているのは、「一般社団法人 日本発達障害ネットワーク 理事長 市川 宏伸 先生」です。

 ちなみに、市川氏と製薬会社のつながりを、以前紹介したデータベースで調べたところ、以下のような結果です。ご参考までに。

 





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