2018年04月26日

サインバルタ 抗うつ剤ですが

サインバルタ 抗うつ剤ですが、
慢性腰痛の痛み止めで処方されることもあるということをご存知でしょうか?

以下、ネットからの引用---------------------------------------

2016年3月18日、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬デュロキセチン(商品名サインバルタカプセル20mg、同カプセル30mg)の適応が追加された。新しく追加された適応は「慢性腰痛症に伴う疼痛」で、1日1回60mgを朝食後に経口投与する。1日20mgより開始し、1週間以上の間隔をあけて1日20mgずつ増量する。

 なお本薬は、2010年1月に「うつ病・うつ状態」の適応で承認され、その後、「糖尿病性神経障害に伴う疼痛」(2012年2月)、「線維筋痛症に伴う疼痛」(2015年5月)と適応が追加されている。

 有訴者率が多い腰痛症は、確定した定義はないものの、主に疼痛部位、発症からの有症期間、原因などから定義されている。部位としては、一般的に触知可能な最下端の肋骨と殿溝の領域に位置する疼痛とされている。

 腰痛症の中でも発症から3カ月以上疼痛が持続するものを慢性腰痛症と定義している。日本整形学会および日本腰痛学会の「腰痛診療ガイドライン2012」によると、慢性腰痛症を含めた腰痛症の薬物治療としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とアセトアミノフェンが日本と米国で第一選択薬となっている。

 デュロキセチンは、ミルナシプラン(商品名トレドミン他)やベンラファキシン(商品名イフェクサーSR)と同じセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)に属する薬剤である。SNRIはヒスタミン受容体やアドレナリン受容体に対して著明な親和性を示さない特徴がある。

 デュロキセチンの腰痛症に対する効果としては、既適応の線維筋痛症と同じく、内因性の疼痛抑制機構に関与するセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを抑制することで、下行性疼痛抑制系を賦活化し、鎮痛効果をもたらすと推測されている。

 本薬は、NSAIDsの効果が不十分な慢性腰痛症患者を対象に、国内で二重盲検並行群間比較試験が実施され、プラセボ群に対する優越性を示した。また50週間の長期投与試験でも、長期間にわたる鎮痛効果の維持が認められた。

 国内臨床試験では副作用(臨床検査値異常を含む)が50.9%に認められている。主な副作用は傾眠(20.1%)、悪心(10.2%)などであり、重大な副作用としてセロトニン症候群、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、痙攣、幻覚、肝機能障害、肝炎、黄疸、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、アナフィラキシー反応、高血圧クリーゼ、尿閉が報告されている。

 今回適応が追加されたデュロキセチンは、自殺念慮、自殺企図、敵意、攻撃性などの精神神経系の重篤な副作用リスクが懸念されている。

 そのためデュロキセチンの慢性腰痛症への適応追加にあたり、厚生労働省は適正使用への留意を求める通知を出した。具体的には、本薬を投与する際は(1)最新の診断基準に基づき慢性腰痛症と診断した患者に限定して投与すること、(2)精神神経系の副作用発現リスクを考慮し投与の適否を慎重に判断すること――を求めている。

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こんな記事も見つけました。
以下引用。http://www.dr-mizutani.jp/pain-1
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最近の日本では、癌治療や緩和ケアなどの現場ではなく、軽症の痛みに対しても、サインバルタやリリカが異常なほどまでに処方されています。私はここで、これらの薬を癌性疼痛のような強い痛みに限り処方すべきだ、と言うつもりはありません。
しかし、昨今、あまりにも安易にこれらの薬が投与され、薬害が出ているケースが多すぎるのです。

たとえば、ある患者さんは、仕事で長時間パソコン作業を続ける負担のために、腰痛が強まりました。
その痛みは、普通に歩いて立ち座りできる程度でしたが、少しでも楽になれば、との思いから整形外科を受診したところ、サインバルタ60mg/日を投与されました(サインバルタは抗うつ薬ですが、通常私たちがうつ病の患者さんに初めて処方する場合、20-30mg/日です)。
この患者さんは飲み始めるとすぐにサインバルタの副作用である吐き気が現れ、しばらくすると買い物衝動が強まり、お金を使い過ぎるようになりました。
ネットで浪費してしまいました。怒りっぽくなり、大切な友達関係を無くしました。
この方は、躁うつ病(双極性障害)の素質があり、私のところに通院中でしたが、初めてその患者さんに会って2分診療の整形外科医は、そんな事情も知らず、また、門前調剤薬局の薬剤師も整形外科医に遠慮してか無頓着なのか、当院に問い合わせもなく、大量のサインバルタが処方されてしまいました。
(サインバルタは、うまく使えば非常に良い薬です。私もよく処方しています。しかし、一歩間違えればこのような躁状態を引き起こしますし、薬剤性の焦燥activation syndromeを引き起こし、自殺行為をも誘発します。実際、精神科・心療内科専門医でさえ安易にサインバルタを投与しており、その結果患者さんが自殺したケースも知っています)

また、ある老齢の女性患者さんは、陰部の違和感を訴え、内科→泌尿器科→婦人科と受診され、いずれにても異常無し、とされましたが、最後の婦人科ではリリカが処方されました。
リリカは「神経障害性疼痛」という、神経が圧迫されたり切断されたりした時の痛みに対しての治療薬ですが、この患者さんの場合、神経も障害されていませんし、そもそも痛みというより陰部の異常感覚(老齢期の患者さん、特に女性には比較的多い症状です。しばしば夫婦関係などに関して起きることは、どの診療科の先生方にも留意しておいていただきたいことです。)だったのです。このケースでもやはり、初期投与量から多く(150mg/日)、副作用が生じてしまいました。
リリカはふらつきや浮遊感などの副作用が生じやすい薬ですが、この患者さんでもそれが生じ、ふらつきから転倒してしまい、大腿骨を骨折してしまいました(手術となり、後遺症が残りました)。(このようなケースは多すぎて挙げるとキリがありません)

通常、医師は投与する薬の副作用について知っておきながら投与するのが常識ですが、サインバルタやリリカの投与に当たっては、その常識が機能していないようです。
これは、私が思うに、患者さんを楽にしてあげよう、という善意の処方ではなく、これらの高価な薬を大量に処方して儲けようとする(院内処方ならば処方する医者が儲けますし、院外処方でも間接的に製薬会社から便宜を受けるのです。製薬会社は、サインバルタやリリカは脳に作用する向精神薬でもあるのに、気楽に処方できる薬だとして宣伝しています。しかも、体格の大きな欧米人と同量の多量投与を勧めるのです。その理由は言わずもがなですが。)作為だと思うのです。
患者さんが痛みのような感覚を訴えれば「最新の薬で治してあげる」との偽善感情から安易な処方をする医師には御一考願いたいです。

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